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第一章 七世の浮生

 一世 岩石出づ
    化して英雄の冢を作り
    情意挫すること無かるべけんや

 二世 磐石(ばんじやく)破らる
    婚姻の縁の橋を渡り
    鴛鴦(ゑんあう)は翼を並べ飛びゆく

 三世 玉石を焚す
    金玉(きんぎよく)の盟を守り
    生より死に至るまで永く相随はんことを誓ふ

 黄泉の路。路端には彼岸花が咲き乱れ、路を血の色で彩っていた。忘川の水は静かに流れている。往けば東に三千年、西に三千年。行き交う魂は果てしない黄泉の路を行き、奈何橋を渡る。黄色がかった湯を飲めば、前世での様々なことも全て過去の記憶と共に洗い流される。衆生は三生石(さんじょうせき)の傍を往来するものの、誰もそちらを見ることは無かった。輪廻というものも魂が茫然と彷徨っているに過ぎないのだ。

※ 忘川……三途の川。
伝説では、死者の魂は鬼門を通り、黄泉路を行くと言われている。奈河(別名:忘川河)は黄泉路と冥府の境界。

※奈何橋……奈河に架かる橋。
死者の魂はこの傍に居る孟婆から記憶を消す孟婆湯を受け取って飲み、これを渡って来世へと向かうと言われている。

※三生石……前生・今生・来生の三生を司る石。

 三生石の傍に、一人の姿があった。

 近づいて見ると、それは二、三十ほどの見た目をした男である。しかし、自然のままに散らされた髪の色は真っ白であった。男は紺色で袖の広い衣を羽織り、腰には粗末な竹笛を挟んでいる。

 男は黄泉路を行く魂を背に、三生石と向き合ってただ静かに座っていた。その両目は閉じられており、眠っているのか起きているのかも定かでない。彼のことをずっと見つめている目にも気が付いていないようであった。

胡笳(フージャー)は新しく任務に着いた鬼差である。黄泉の世界に来て四十年ほど、彼が見る男の背中は座り込んだまま全く動いていない。胡笳は人間界での任務を終えて上への報告を完了すると、いつもそこに立って、その男の背中を暫く見つめるのだった。

※鬼差……魂を管理する公務員のような存在。
彷徨っている魂を勾(とら)えて地府(黄泉、別の名を陰曹)へ送る役。

 陰界は鬼魅(きみ)の世界である。陽界は空こそ明るいものの、鬼魅は陰界と同じように多い。陽界で任務を行う胡笳の心は荒れることもあったが、その男の静かな背中を見ているうちに不思議と凪いでいくのだった。

 ふと、胡笳の肩に青白い手がすっと置かれた。鬼差をやっているものの、手から伝わる寒気に思わずびくりと背を伸ばす。振り返ると、白無常(ハクムジョウ)の蝋のように白い顔が目の前にあった。胡笳はどくどくと鳴る胸を叩き、身体を向けて礼をした。

※白無常……伝説では黒無常・白無常は閻魔大王の両腕。
ともに人が亡くなった際に魂を勾え地府へと送る。その役割から、勾魂使とも呼ばれる。

「勾魂使さま。」

 白無常は軽く頷き、唇は動かないもののはっきりとした声で命令した。

「彼に声を掛けて来なさい。時間が来ました、路をお進み下さい、とお伝えすれば良い」

「私が?」

 胡笳は驚き、彫像のような白髪の男と白無常を見比べた。

「しょ……小人のような者が……」

「行きなさい。」

 白無常は淡々とした声で語る。

「ある時、私はある一人の魂魄を間違って勾えてしまった。そのせいで彼は生き別れの目に遭い、欲しくとも手に入れられない痴情に幾世も苦しみ、数百年もの間安寧を奪われたのだ。彼もきっと私とは話したくないだろう」

 勾魂使の言葉に逆らう度胸など胡笳には無い。

「かしこまりました」

 少し躊躇してから尋ねる。

「あのお方は……何とお呼びすれば?」

 思わぬ問いかけだったのか、白無常は少しの間を置いた後、低く答えた。

七爺(チーイエ)とお呼びしなさい。皆そのようにお呼びしている。必ず応えて下さるだろう」

※爺……皇族などに対する敬称。
必ずしも老人のことを指すわけではない。

 胡笳はこれ以上躊躇っているわけにもいかず、その男の下(もと)へと向かった。

 幼い時、彼がまだ人間界にいた頃のこと。私塾の先生の話す物語を聞いた。

「昔々あるところに、絵画に優れた者がいた。ある日、その者は壁の上に大きな龍を描いたが、両目は空のままであった。不思議に思った人達が訳を尋ねると、両目を描けばその龍が本物の龍と化してしまうかもしれないと言う。周りの人達は信じる訳がない。彼は仕方無く目を描いた。その途端、彼の言う通り龍に命が宿り、長く澄んだ鳴き声とともに空に勢いよく昇っていった。これが伝説中の『画龍点睛』だ」

 この時何故か、胡笳にはあの静かに座っている白髪(はくはつ)の男は未だ目を描かれていない神龍で、彼が一旦目を醒ませば三生石の辺の地など彼を留め置けるようなものではないように思えた。

 彼が近づいていっても、男はやはり全く気が付いていないようだった。石板に向かい合い、両目を閉じたまま端正に座っている。

 胡笳は咳払いをすると、大胆にも手を伸ばし男の肩を軽く揺らした。

「七爺、勾魂使からの伝言です。時間が来ました、路をお進み下さい、と」

 男は動かない。全く聴こえていないかのようであった。

 胡笳はごくりと唾を呑み込み、今度は耳の近くで声を大きくして話す。

「七爺、勾魂使から……」

「聴こえているよ。私も耳が聴こえないわけではない」

 胡笳は思わずぽかんとその場に立ち尽くしてしまった。暫くしてはっと我に返る。

(この彫刻みたいな人が……自分に向かって喋った!)

 「七爺」の声は低く、そしてとても軽かった。耳に入れば、柔らかな風が胸を撫でていくかのようである。彼は長い間寝て固まってしまった身体を解すかのように肩を動かした。ゆっくりと開いた目が、ちらりと胡笳の姿を映す。

 その眼は澄み切った輝きを持っていた。涼しい目元に、くっきりとした輪郭。少し目を上げれば、底に光を湛えた眼はまるでうっすらと微笑んでいるかのようである。しかし、その光は一瞬の閃きの後すっと収められてしまった。

 呆けていた胡笳は心の中で呟いた。

(七爺がこんなにも綺麗なお方だったとは……)

 白髪の男は胡笳を暫く観察した後、何かを考えるかのような素振りを見せた。

「君は初めて見かけたような気がするが……」

「小人は胡笳と申します。此処、地府の鬼差を務めてまだ四十年に満ちません」

 男は驚いた様子を見せた後、指を折って歳を数え、首を横に振って笑った。

「少し目を閉じただけだと思っていたが……私はそんなにも長い間眠っていたのか」

 彼は三生石を支えにゆっくりと立ち上がり、身体に付いているはずのない埃を払った。広い袖が振られると、彼岸花はそれに合わせるかのように頭を揺らす。振り返ると、それほど遠くない場所に白無常の姿があった。彼は不思議な顔をすることもなく、袖口を整えて礼をした。

「勾魂使大人。六十年ほどお会いしませんでしたか」

 白無常が応えるには少しの間があった。淡々と言葉を吐く彼の姿に普段と変わりはなかったが、胡笳には彼が一瞬惚けたように感じられた。

「小人は日々奈何橋を通っておりますので、七爺のことは毎日お見かけしております。ただ七爺が六十三年も向こうを向いたまま、小人のことを振り返って一目見ることさえして下さらなかったに過ぎません」

 男はぱちぱちと目を瞬いた後、ふと笑った。

「何故か不満そうですね?」

 白無常は俯く。

「とんでもない」

 否定の言葉に、男は少し意外そうに言った。

「貴方の言葉の調子を聞くと、まるで私が貴方に悪いことをしたみたいだ」

「とんでもない」

 白無常はやはり棺桶の蓋のように単調な調子で続けて言った。

「時間が既に来ております。七爺、小人に付いてこちらへお進み下さい」

「時間?」

 男は目を瞬かせる。

「どこへ行くのですか?」

「私とともにあちらの輪廻の方へお進み下さい。時間を逃してしまうと良くありません。既に第七世です」

 白無常は少し間を置いて続ける。

「この一世を過ぎれば、貴方と赫連翊(ハーレンイー)様の縁は尽きます。この先はそれぞれの道を歩み、二度と縁に苦しめられることはないでしょう」

 「赫連翊」の三文字が発せられた時、胡笳は驚いた。彼もこの名前は聞いたことがあったのだ。まだ人間だった頃、幼い彼は私塾で老いた先生が歴史を語るのを聞いていた。先生は前朝を復興させたこの皇帝を特別に取り上げ、普段になく純粋な賞賛の意を露わにした。内憂外患の時に生まれ、倒れそうであった大廈を一人の力で建て直すことに力を尽くした、寛大で歴代一聖明な君主だ、と。

※大廈(たいか)……国の喩え。

 胡笳は七爺の方を振り返る。彼の綺麗な二つの眼は、黙って真っ直ぐに忘川の方を見つめていた。胡笳は彼の横に立った。七爺の目には、霧がかかっているように見えた。見通すことの出来ない、ぼんやりとした失意が感じられる。傍に居る白無常の蝋のような顔にも、感情のようなものは見られなかった。しかし胡笳には何故か、はっきりと、彼が悲しみを身に纏っているように感じられた。

 ある時、私はある一人の魂魄を間違って勾えてしまった。そのせいで彼は生き別れの目に遭い、欲しくとも手に入れられない痴情に幾世も苦しみ、数百年もの間安寧を奪われたのだ。彼もきっと私とは話したくないだろう———

 その時、突然意識を取り戻したかのように白髪の男が目を瞬き、困惑した様子で白無常に尋ねた。

「赫連翊とはどなたのことでしょう?」

 白無常は言葉を詰まらせた。

「それは……」

 白髪の男は少し考えた後、白無常が言い終える前に自分の頭をぽんと叩き、やっと思い出したかのように言った。

「あぁ、貴方が言っているのは彼のことですか……少し思い出しました。まだ終わっていないのですか?」

 彼の反応に、胡笳は何かが喉に詰まったような、微妙な表情を浮かべた。

———欲しくとも手に入れられない痴情に幾世も苦しむ?痴情者?痴情者にしては記憶が弱過ぎじゃないか?

 白髪の男は彼をちらりと見やると、腰を伸ばし、心中を見透かしたかのようにゆっくりと話した。

「六道の輪廻に入り、もう数えれば数百年だ。彼も何回転生したことか。性別、歳、名前、身分など変わり続けるものだ、誰が覚えていられる?それに私ももう数百年も人間として生きていない……」

※六道……衆生が輪廻を繰り返す、迷いのある六つの世界。
地獄道・餓鬼道・畜生道・修羅道・人間道・天道。

 彼の言葉の最後は低く抑えられていた。薄く引かれた唇に浮かんだ微笑を拭い去ると、袖を寄せ、白無常の方を見た。

「言われなければ忘れていましたよ。当時私が元々詭計を尽くしていたにも関わらず、貴方がちょうど青鸞(セイラン)の魂魄(こんばく)を間違えて勾え、彼女を無駄に死なせてしまったせいで私と赫連翊の仲がとても悪くなってしまったのですね?道理で先は私と話そうとしなかったわけだ」

 白無常は彼の目線を避け、少し俯いた。

 白髪の男は首を横に振り、前へ出ると軽く白無常の肩を叩いた。

「とうに過ぎ去ったことじゃないですか、貴方は気にしすぎだ。やはり白い顔の者は女子(おなご)のように思い詰めがちだな」

 胡笳は足を滑らせて忘川に落ちそうになった。

 その男は声を上げて笑う。

 黄泉の路、十万の幽魂が漂う中、陰曹全体に彼の解き放たれた笑いがこだましているようであった。細く長い背中は何にも縛られない姿を表しているかのようで、十殿の閻魔のことなど歯牙にも掛けないような印象を与えた。

 胡笳は、白無常が小声で言うのを聞いた。

「元々は七世にも渡る愛情の縁だったのだ。私の当初の間違いで二人の命運を変えてしまったが為に、元々生涯を共にする仲は仇敵の仲に変わってしまった」

 胡笳は驚きを露わにする。

「愛情の縁?彼は……」

南寧(なんねい)王の名を聞いたことがあるか」

 胡笳は思わず「あ」と口にする。

「彼が……彼が……」

 彼が前朝の南寧王だったのか。道理で勾魂使さまが彼には「小人」と自称するわけだ。

 白無常は嘆くかのように首を横に振り、続けて言った。

「彼の第一世は三十二歳で終わった。気を使い過ぎて、死を迎えた時には彼の髪は既に真っ白になっていた。死後も想いを諦め切れず、忘情の水を飲もうとしなかったのだ。奈何橋の傍で十年も、その人と一緒に輪廻に入ろうと待っていた……」

「孟婆湯を飲まなければ人間に生まれ変われないのではないのですか?」

 白無常は頷いた。

「だから第二世で彼は飛ぶ虫になり、その人が夜につけた灯りの下へ飛んでいった。ただ残念なことに、その人は凡人であったにも関わらず彼は捕まえられてしまった。そして彼は指先で潰されて死んだ」

 胡笳は言葉を失った。

「その後、彼はその人の第三世を待った」

 白無常と胡笳は「七爺」のかなり後ろに付いて歩いていた。勾魂使の声は低く抑えられ、蚊の鳴くような小さな音であったが、一言一言ははっきりと発せられていた。

「第三世、彼は身体の黒い犬となり、その人に小さい頃から大きくなるまで飼われていた。だが後にその人の家計が苦しくなり、彼は殺されて食べられてしまった。第四世、彼はその人が想い人から送られ窓に飾った茉莉花だった。その人は水をやり、丁寧に世話をしていた。しかし後にその想い人が他の人に嫁ぐと、その人は心を痛めて他の場所へと引っ越した。茉莉花は荒れた家に置き捨てられ、枯れて死んでしまった。第五世、彼は雪狐となり、その人に捕らえられた後、豪奢な家で見世物として育てられた。その人の妾が彼の皮を好んだ為に、彼は皮を剥がれる苦を味わった……」

「何故そこまでの苦しみを負わなければならないのですか?」

 胡笳は目を見開いて言う。

「世間の万事皆因果有り、と言います。彼は未だ何も悪因を生んでいないのに何故……」

 白無常は彼の方へ少し視線を走らせた後、首を横に振り言った。

「因果の命運だ。私達の分かるようなものではない」

「それならその後は……?」

「その後彼は戻って来ると、奈何橋の傍で三杯もの孟婆湯を一気に飲んだ」

 白無常は苦笑して続ける。

「しかし何故か、世の中の人が飲めば記憶を洗い流される孟婆湯は彼には効かなかった。忘れたくない時には忘れ、忘れたい時には覚えている。彼はこの数百年間は長かった、自分の最初の名前も思い出せないような時もあるのに、前世での過去の出来事だけは何故か覚えていると自嘲していた。この七世のことから、彼は『景七(ジンチー)』と名乗っている。赫連翊の第六世は六十三年間であったから、彼は三生石に向かい合って六十三年座っていた。これで、七爺と赫連翊の七世に渡る縁も最後の一回となった」

 胡笳は漸く納得した顔を見せた。

「なるほど。」

 彼は顔を上げ、離れたところをゆっくりと歩いている人を見つめた。気ままに歩いている男を見ると、白無常が語った何世にも渡る情を抱えた痴情者と同じ人物にはどうしても思えなかった。しかし、雪が積もっているかのように白い髪が背中に散らされているのを見ると、傷付き失意に暮れた色のようにも思えてきた。

 景七は転生池の辺に立ち、二人を待っていた。白無常と胡笳が側へ行くと、冗談めかして尋ねた。

「今回は人間ですか?」

「富貴な人間です」

 白無常が答える。

 景七は彼をちらっと見やると、どうでも良さそうに言った。

「富貴なんかでなくても良い。食べる物と着る物に困らずに、何も気にすることなくぶらぶらして過ごさせてくれたらそれが一番だ。よく食べよく寝てよく遊ぶ、そんな生活で十分だ」

 白無常は彼の声には答えず、ただ手を伸ばした。

「どうぞ」

 景七は二人に向かって軽く拳を握り礼をすると、笑って池の中へ足を踏み入れた。

 彼が転生池へ沈んでいこうとしたその時、白無常が突然自分の指を噛み破った。指を折り、法術を施す。どす黒い紅が青白い指先にぷくりと現れ、転生池の中へと落ちていく。一滴の血が、池全体を鮮明に染め上げた。

 胡笳は驚いて叫んだ。

「勾魂使さま、何をなさるのですか!」

 白無常は彼に構わず、ぶつぶつと何かを唱えていた。すっ、と血の付いた指を差し出すと、景七の眉間に当てる。池の中にいた景七は避けようもなく、ただ呆気に取られていた。目を上げて見ると、白無常の表情はやはり空っぽで、物を語らない瞳はじっと彼の眼を見つめている。景七はどん、と押されたような感触を覚えると同時に、池へ沈んでいった。耳元で誰かの低い声が聞こえた。

「私のせいで貴方の命運を狂わせてしまった。貴方にいわれもなく何度も世間の苦しみを味わわせた。もう他に償うものなどありません。修行で得たものを、貴方の来世の射干玉(ぬばたま)の髪に換えましょう……」

 転生池は妖しげに紅く染まり、景七の影が飲み込まれていく。胡笳は目の前の光景をただ呆けて見ていた。

 あっと叫ぶ間も無く、池が澄んだ色に戻る。静かな水面に波はなく、まるでそこには誰も来たことも、去ったこともないようであった。

 胡笳はゆっくりと横へ視線を移したが、そこに白無常の姿は無かった。どこからか、人形(ひとがた)の白い紙が一枚、はらりと舞い落ちた。

 パチン、という音とともに、何もない場所から黒い影が現れる。影は身を屈め、地に落ちた紙を拾い上げた。

 胡笳は驚き、慌てて礼をする。

「判官さま……」

※判官……閻魔大王の元で寿命簿を管理する者。

 黒い衣を纏った男は手を振る。

「礼は良い」

 紙は彼の掌で燃え上がり、灰となった。判官が掌を開くと、一条の煙がまるで生きているかのように転生池へと入っていった。判官はぽかんと突っ立っている胡笳を見て、口を開いた。

「今回の白無常は元々地府の人間ではなかった。無常の躰を借りて彼の運命の人を待っていたに過ぎない。もう行くべき時であったのだ」

 胡笳は口を開きかけたが、また閉じた。何かわかったような気も、何もわかっていないような気もした。

 判官は溜息を吐くと、来た時と同じように、ふっと暗闇の中へ姿を消した。


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